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身寄りがなくても、安心して生きていける社会へ

執筆者の写真: 行政書士HERO
行政書士HERO
6月26日
読了時間: 4分



出会いが教えてくれた、二つの「現実」

高齢者支援の現場で、忘れられない言葉があります。


「もう、あとは野となれ山となれだよ」


ある高齢者の方が、将来のことを尋ねたときにそう答えてくださいました。ご本人にとっては、長い人生を歩んできた末の、ある種の達観だったのかもしれません。しかし私の胸には、重いものが残りました。

なぜなら、その言葉の裏には、現実として残された課題があるからです。亡くなった後の行政手続き、葬儀の手配、遺品整理——これらは、自然に消えてなくなるものではありません。その方が何も準備をされなければ、周囲の誰かが対応することになります。たとえ本人が「迷惑をかけてもいい」と感じていたとしても、引き受ける側の現実はまた別の話なのです。

人生の最後に、準備がないことで周りの人が困ってしまう。その現実を、私はこのときはっきりと感じました。


一方で、もう一つの出会いが、私の使命を決定づけました。

ある女性の高齢者の方です。若い頃から、決して楽ではない人生を歩んでこられました。ご主人が早くに体を壊され、長年にわたって家庭を支えてきたのはその方ご自身でした。ご主人の兄弟との関係でも、多くの苦労を重ねてこられた。そしてお子さんはおらず、ご主人が亡くなられた後は、一人になりました。

その方は、私にこう言いました。


「今が一番幸せです。あなたに支援してもらえることが幸せです」


この言葉を聞いたとき、私の中で何かが変わりました。身寄りがなくても、人は安心して生きていける。そのための環境を、自分の力で作ることができる——そう、強く確信したのです。


今、日本で起きていること

日本では今、身寄りのない高齢者が急速に増えています。未婚率の上昇、核家族化の進行、そして少子化。これらが重なり合い、「一人で老いる」時代がすでに始まっています。

病院に入院するとき、介護施設に入所するとき、賃貸住宅を借りるとき——多くの場面で、身元保証人が求められます。しかし、頼れる家族がいない方にとって、その一つひとつが大きな壁になります。

さらに亡くなった後には、行政への死亡届、健康保険や年金の手続き、葬儀の手配、遺品整理、そして相続。これらすべてを、誰が、どうやって進めるのか。

この問題は、これからの日本でさらに深刻になっていきます。しかし、多くの方がまだ「自分ごと」として備えられていないのが現実です。


行政書士として、できること

私は行政書士として、主に二つの制度を活用したご支援をしています。

一つは「任意後見契約」です。判断能力が低下したとき、財産の管理や医療・介護に関する手続きを、ご本人が事前に指定した人物(後見人)に委ねることができる制度です。これにより、ご本人の意思と権利を守ることができます。

もう一つは「死後事務委任契約」です。亡くなった後に必要となる手続き——葬儀の手配、行政への届出、各種サービスの解約、遺品整理など——を、生前に契約として取り決めておくものです。「自分の死後に誰かに迷惑をかけたくない」というお気持ちを、法的な形で実現するための仕組みです。

これらの制度は、難しそうに聞こえるかもしれません。しかし、私はできるだけわかりやすい言葉でご説明し、ご本人が「自分で決めた」と感じられるプロセスを大切にしています。書類を作ることが目的ではなく、その方の人生の安心を作ることが、私の仕事だと思っているからです。


私が目指す社会

私が目指しているのは、身寄りがいなくても安心して生活できる社会です。

これまで誰にも頼らず、自分の力で懸命に生きてきた方が、人生の最後に孤独や不安を抱える必要はありません。自分の意思で人生を整え、穏やかな日々を過ごす——そんな選択肢を、一人でも多くの方にお届けしたいと思っています。

ケアマネジャーや医療・福祉の関係者の皆さまにも、ぜひお声がけいただければと思います。「この方、将来が心配で……」と感じる場面があれば、早い段階でご相談いただくことで、できることが格段に広がります。


一人の高齢者の「今が一番幸せです」という言葉が、私の原点です。その言葉を、もっと多くの方に届けるために、今日も活動しています。



── ご相談・お問い合わせは、お気軽にどうぞ ──

 
 
 

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